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『青空感傷ツアー』以来の、柴崎友香。
この間に2作出ているんだけど、読んでいないんですよね。まあ、それはそのうち読もうと思います。
今回も舞台は大阪かと思いきや、今回の舞台は東京。でも、登場人物は関西弁をしゃべる人が多いです。
あらすじは、
会社を1週間休んで、大阪から東京へ出て来た有麻。その目的は、会いたい人がいて、あの夜のことを確認すること。
この人の作品は、基本的に好き。
なんでもない日常をどう見るか、そのセンスがこの人はいいものを持っていると思う。
前回もそうだっけど、印象に残る台詞がある。
「(前 略)なんか急に、いつもと違うこととか新しいことをやってみようとか思う瞬間があって、それでいつも実際にやるわけじゃないけど、たまにはほんまにやって みるときがあって、なんでわからんけど、できるときがあって、そういうのだけがちょっとずつ変えていけるんちゃうかな、なんかを」
この部分を読んだ時、そういうえば心当たりあるなあと思った。
こんなに印象に残る作家さんは、ホントに珍しい。
ただ、こういう作品はいかに締めるのかが難しい。
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灰色ぐらいが、ちょうどいい・・・
ちょっとは汚れて生きてみよう!
盗撮映像売買で恐喝されるハメになった小学生、
足に障害を負った兄の敵を討つために復讐を誓う妹、
幼児誘拐事件に巻込まれた園児救出劇、
風俗殲滅をする副都知事の池袋フェニックス計画。
今回は、この4編が収録されている。
最近、他にも色々と書いているけど、やっぱり石田衣良さんと言えば、IWGPですよね。
最後に収録されている、『池袋フェニックス計画』は、もちろんよかったけど、意外とよかったのが、2番目に収録している『野獣とリユニオン』
傷害事件の被害者と加害者がお互いの立場や感情を乗り越えて仲直りする話。
今回は、Gボーイズのタカシの出番が多かったので、個人的にうれしかったです。
久しぶりに本を読んでみました。
『パークライフ』で芥川賞を獲った吉田修一の最新作『初恋温泉』。
話は、温泉を訪れた5組のカップルの物語で、オムニバス形式で書かれています。
別れ話をしている夫婦、婚約したカップル、不倫同士のカップル、奥さんとケンカした夫と一人旅している女社長、高校生のカップルをそれぞれ描いたものです。
なんか、この本を買う時にものすごくドキドキしました。タイトルが『初恋温泉』ですからね。
『初恋温泉』って、ちょっとエッチな想像とかしてしまうじゃないですか。二人で温泉で行くってことは、二人の関係はある程度深い仲でないと行けないし、だいたいは泊まりで行ってのんびりとするだろうし・・・。
帯に「二人が二人でいられる場所」と書いてあったけど、ホントにそうだなあと思いました。おいらも女の子と二人で温泉に行ったことがあるけど、その時のことをつい思い出しました。
話が脱線してしまったけど、温泉という非日常的な場所でだからこそ、おもしろいと思いました。
まあ、内容は実際に買ってみて読んで下さいね。(笑)
梅田望夫著『ウェブ進化論』筑摩書房
最近、この本がランキングに載るほど売れているらしく、手にとって読んでみました。
Web2.0、ロングテール、オープンソース、ブログをキーワードにして論じられている。
著者は、その中でこんなことを述べている。
「こ れから始まる『本当の大変化』は、着実な技術革新を伴いながら、長い時間をかけて緩やかに怒るものである。短兵急でない本質的な変化だからこそ逆に、ゆっ くりとだが確実に社会を変えていく。『気づいた時には、色々なことがもう大きく変わっていた』といずれ」振り返ることになるだろう』
ウェブの世界は確実にそして、少しずつだが、進歩している。それによって、日々の生活に影響を与えている。その一方で、まだウェブの恩恵を受けてない(受けない)も人いる。
そんな中でこれから、ウェブはどのように進化していくべきかそんな方向性が見えてくる書である。
ナラタージュ
映画などで主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること。ナレーションとモンタージュの合成語。
ちょっと前に出た、島本理生の最新作。やっと、買って読みましたよ。出たときから、絶対に欲しいと思ってたので。
物語は、主人公の泉が1年ぶりに好きだった演劇部の顧問である葉山先生呼び出されるところから物語が始まる。その先生の恋は、究極の恋・・・。
な んだか、作品ごとに著者がものすごく成長しているのが、わかります。作品中、ドキッとするシーンがあったり。とても、読みごたえがありました。ほんとに、 人物の細かい気持ちの動きが丁寧に描かれています。最近の作家の中では、一番いいもの書いているんではないでしょうか。
先日、何気なく本屋行ってみたら、IWGP(池袋ウエストゲートパーク)の最新作が売っていた。
「知らなかった。ほ、欲しい・・・」
でも、考えてみたら他にも読みたい本があって、買ってない本がある。例えば、江國香織「間宮兄弟」、島本理生の最新作とかイロイロと。
だから、IWGPが再放送していたのか・・・。
なんて、思いつつもどれから買おうか迷う今日この頃です。
最近、『青空感傷ツアー』と言う本を読んだ。作者は、柴崎友香と言う人で、最近映画化された『きょうのできごと』の作者でもある。
あらすじは、美人でゴーマンな女友達(音生)と、彼女にいいなりの私(芽衣)。女二人で1ヶ月間の感傷旅行に行く話である。
二人は、旅の中で様々な人に会い、今までの自分を見つめなおしていく。その旅の中で芽衣が以前好きだった人の親戚の家で、夜に親戚のおばさん(正恵)と音生と芽衣が話しているシーンがあった。
音生 「芽衣ちゃんさ、仕事辞めたら、どっか違う場所に行ったら、もっと違うことができるはずやとか、かっこいい彼氏がおったら人生は楽しいはずやとか思っているやろ。そこがあかんねんで」
芽衣 「あかんって・・・」
正 恵 「ほら、やっぱり、音生ちゃんのほうがちゃんとわかっているじゃない。そんなのね、 自分の人生なんて、自分で努力するしかないし、分相応ってものが あるのよ。わたしだってね、学生のころはプロのピアニストになりたいと思ってたし、いろいろ勝手な夢を見たわよ。でもね、自分のできることとできないこと に気付いから、与えられた状況の中で努力して、今だってこんな知らない人ばっかりのところで考えてもみなかった仕事だけど、ちゃんとわたしのやるべきこと だと思ってやってるわよ。」
このシーンで、与えられた状況の中で努力して、という下りを読んで、ドッキとしたはたして、自分は努力しているのかと。ちょっと、久々に考えさせられました。
おいらの最近の傾向として、こういう何気ない日常を描いている話がとってもすき。例えば、この『tokyo.sora』だって、そういう話なのだから。
読み終わった感想は、人生色々なことはあるけれど、そのことにあまり考え込まずにもっと楽にな気持ちになって、日々を過ごしていけばいいんじゃないと思いました。